今回はモーテルの話から。
アメリカでの旅は車移動が基本だ。小さい街でもMOTEL(Motorists' Hotel)が1,2軒はある。
ホテルと違うのは、各部屋に外ドアが付いており、目の前に車を停めることができる点だ。スーツケースのほか、撮影機材などがある場合はとても便利だ。
基本的な設備はダブルサイズ以上のベッドが2台、バスルーム、タオル&アメニティ、TV、エアコン、WiFiなど。
格安のモーテルでもこれらの設備はあると思っていい。ただ、それらがちゃんと機能するかは別の話。
料金は部屋単位なので、家族やグループだと割安だ。
30ドル~150ドルの範囲が多いが、ハイシーズンの国立公園近くだと250ドル以上になることもある。
経験上、50ドル以下の場合、何かあることが多い。
39ドルだった昨日のモーテルは、なかなかヘビーで、Gの巣窟だった。バスルームのドアノブを引いたらドアが倒れ掛かってきたこともある。となりの部屋が反社会的取引の現場と思えることもあった。
なのでカップルやファミリーで利用するならば、ある程度は出して高評価のチェーン系モーテルをお勧めする。
チップはサイドテーブルに1ドル置いているが、荷物の整理でとなりのベッドメイクを乱した場合などは2ドルにしている。だから用が無ければとなりのベッドは触らない。
アルバカーキを夜明けとともに出発。
40号線を昇ってきたばかりの太陽に向かって進む。眩しいが気分がいい。
今日はテキサス州のアマリロまで行く予定だが、復路に同じ道を通るのは嫌なので、40号線を50マイルほど進んだクラインズコーナーズでUS285に乗り換え南下する。
5日目「ロンスター☆ステーキ」 ~アメリカ南西部 3475 マイル ロードトリップ の記し~
US285 制限速度70mph 交通量の少ない直線を流れに合わせ 75mph巡行
昨晩合流したT氏の目的のひとつは、アメリカのハイウェイを運転すること。
一方、こちらは半分運転してもらうこと。
利害が一致しているので、クラインズコーナーズの先から寄り道の街まで運転を代わってもらった。
尚、T氏とは複数回の打合せで次のようなルールを共有している。
・利害一致のため行動を共にするが、お互い自分の旅に軸を置くこと。客とガイドのような関係はない。
・希望ルートや、希望地の事前調査・情報収集は個別に行う。その上で互いの計画を擦り合わせる。
・散策や食事などは別行動を基本とする。別行動した場合、集合時間の厳守。
とは言っても、お互い食べたいものが同じであれば無理して別行動をとる必要もない。要は50:50の関係が築ければ良い。
アメリカの道路事情(速度法など)は日本のそれとは違う点が結構あって、初めての運転だと少し戸惑うかもしれない。左右逆通行や赤信号で右折可は知られているかもしれないが、意外と知らずに焦るのが「ALL WAY STOP」だ。これは交差するどちらも一時停止しなくてはならず、先に停止した方が優先して通過するというもの。慣れれば相手とアイコンタクトを取りつつリズムよくストップ&ゴーできるが、同着だったり、先に停止はしたが近くに歩行者がいる状況などでちょっと焦ってしまう。
「YIELD」(譲れ)も日本の一時停止とはちょっと違う。合流にある場合、ほぼ日本の一時停止と同じ意味なんだけど、合流先に車が無ければ、一時停止しないで合流して良い(寧ろしなさい?)ということだ。不必要に一時停止をすると後続車を驚かせてしまうかもしれない。
時速65マイルで走っていると、55mph、45mph といった具合に制限速度が段階的に落とされることがある。
これは街や集落が近づいていることを意味している。きっと少し先に35mphが出てきて、そのころには街や集落が目の前に見えるだろう。街中は25mph、スクールゾーンは15mph厳守となる。シェリフがパトカーに乗って見ているかもしれないので、この速度管理は是非覚えておいてほしい。反対に街から出ていく場合は段階的に制限速度が上がっていく。
よく考えると市街、郊外に関わらず35mph(時速50~60km)の日本より合理的で断然よい。
ボーンからロズウェルまでの100マイルに町はない。記憶では廃屋がひとつ、廃スタンドがひとつ、反対車線にレストエリアがひとつだった。
360°地平線まで牧草地が続き、2本のアスファルトがこれまた地平線まで貫いている。
1947年のUFO墜落現場はこの辺りらしい。
平原とアスファルトの直線、ときどき牛の群れ
アルバカーキから200マイル、UFO墜落事件で有名なロズウェルに到着。ここまでの所要時間4時間弱。
ずいぶん遠い寄り道だったが、US285 の景色を経験できてよかった。
ここまでやって来たのだから、やはりUFOミュージアムは覗いてみよう。展示物は概ね検討つくんだけど。
ロズウェルの街並み UFOミュージアムの辺り
・・・。
・・・・・。
ギフトショップを軽く覘いて 12:00ごろミュージアムを出てきた。まだ腹は減っていない。
シリ・アップルビーなウエイトレスがアンテナカチューシャしているようなカフェがあればここでランチもアリだったが、それは次の機会に。やはりテキサスタイムが気になるので、早々にロズウェルを後にした。
スケール感覚を掴んでいただくために、ここでニューメキシコ州の面積を簡単にお教えする。
だいたい北海道×4個ぐらい。
2日前、アリゾナから入って順調にいけば2日後、コロラドに抜けるので延べ5日間。どっぷり浸からせてもらっている。
今日の宿はテキサス州アマリロ。ニューメキシコとテキサスには1時間の時差があるため、あまりのんびりしているとマジックアワーに目的地へ到着できない。
街の北でホワイトサンズ以来のUS70 に乗り換え州境の街クロービスへ向かう。
US70, Clovis Hwy, NM
US70とBNSFの並走区間
モーテルの並ぶクロービス、この街の先はいよいよテキサス州だ
US60, Clovis, NM
クロービスでUS60に乗り換える。こちらは昨日訪れたVLAに続いている道だ。その後すぐに州越え。
iPhone がオートマチックに時差を修正してくれた。
テキサス州に入っても風景は変わらない。と思っていたらハイウェイの東側が牛で埋め尽くされた。
この牛たちを皆食べてしまうんだから、やはり人間は恐ろしい生き物だ。
*別ウインドウで GoogleEarth を開く
US60, US87, I-27 Exit 119A , Amarillo, TX
並んだ車体の向きから、西日の当たるこの時間がベストタイミングと考えていた。
予定より少し早く着いたので、余裕を持って撮影出来そうだ。
ところで今日は日曜日。ペインターや見物人が多い。それならば積極的に被写体にさせていただこうか。
Entrance gate / Cadillac Ranch, Amarillo, TX
Cadillac Ranch, Amarillo, TX
Happy Love's Car / Cadillac Ranch, Amarillo, TX
Painter / Cadillac Ranch, Amarillo, TX
Painter / Cadillac Ranch, Amarillo, TX
Painter / Cadillac Ranch, Amarillo, TX
Buried Canvases / Cadillac Ranch, Amarillo, TX
Half Moon / Cadillac Ranch, Amarillo, TX
まだ陽は沈んでいない。あと1時間は撮影できそうだ。少し欲が出た。
今日はここアマリロでステーキを食べる予定だが、まだ時間に余裕がある。
40号線(ここではルート66も含む)を東に50マイル行けば、テキサスの斜塔まで届く。撮影時間は10分、いや5分あるか。
もし撮影が叶わなくとも、あの斜塔には会いに行きたい。 考えている時間がもったいない。動く。
Leaning Tower of Texas, Groom, TX
なかなかのハンサムタワーじゃないか。
この先にも ラモーンのペイントショップ(のモデル)など訪れたい場所はたくさんあるが、今回の旅はここを最遠到達地とする。
さあ、ここが折り返し地点だ。進路を西へ向ける。
ロサンゼルスから4日かけてここまで来た。明日から5日かけてスタート地点へ戻る。金は掛かってないが、我ながら良い旅だ。
朝はモーテルのマフィンとコーヒー、昼はハーフォードのLove'sでパストラミを買って残ってる食パンで軽いサンドイッチ。
意識的に適度な空腹をキープしていたのは、これから行くBIG TEXAN のためなのだ。さすがに腹が減ってきた。もしかしたら1kgぐらい食べられるかもしれないな。
The Big Texan Steak Ranch, Amarillo, TX
20:00ごろ到着。
店内は満席で30分ほど待つという。呼び出しベルを渡された。
72oz ステーキで有名なビッグテキサン。もちろん72oz(2kgオーバー)に挑戦する気はないが、20oz以上はやっつけておきたい。
T氏も参戦するとのことなので、違う部位をシェアできそうだ。
1人ならプライムリブか、リブアイをオーダーしたと思うが、T氏がプライムリブを希望なので、トップサーロイン21oz(600g)をオーダー。(日本ではランプとかモモという赤身の肉々しい部位)
サイドは本日のスープとインゲン豆のサラダにした。一方T氏はプライムリブ 16oz(450g)にサイドのサラダはコールスロー。
かなり旨い チリコンカンに似たスープ。量は多い。
450gのプライムリブ。オーダー名は "PANHANDLE CUT" (テキサスパンハンドルから)旨くない訳がない。
21オンス(600g)のトップサーロイン。ハンバーグに見えるが、見たことない肉の塊。
その名も "LONE STAR CUT"。名前にやられた感は否めない。
焼き加減が良くとてもジューシー。本当の肉好きが好む部位。
普通の肉好きな自分に赤身600gは少々きついか。プライムリブの脂身と一緒に食す。
メニューが気になる方は下のリンク先をどうぞ。
上のオーダーはソフトドリンクと2つのサイドメニューを入れて30ドルちょっと(税、チップ別)ととてもリーズナブルだ。
ドギーバックをぶら下げて帰る人が多い中、日本代表はそれを利用することなくすべてやっつけてやった。しかししばらくは肉を見なくていい。
いや、明日も牧歌的な彼らと たくさん出会うか。
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